スイングにおける「拍の取りかた」について考えてみましょう。
「ジャズ(スイング)は2拍4拍でリズムを取る」…というようなレクチャーが聞こえてくることがありますが…それはどうかな、と思います。
速いテンポに対応することを考えると、スイングを2・4で感じ取るのは得策ではありません。
スイングでのテンポが240あたりを超えてくると、拍をまとめて取るほうが演奏しやすく、かつ、フレージングにも音楽的な連結をつけやすくなります。2拍分を1拍に取ったり、4拍分を1拍に取ったり、ということです。
しかし、2・4で取る習慣をつけてしまうと「1小節は4拍」の感覚から抜け出しにくいため、拍をまとめて取ることが困難になります。
「拍を取る」といっても、ことさらに身体を動かして数えるわけではなく、あくまで「パルスの置きどころを意識する」わけですが、ここで重要になるのは、その中の細分化(フィール)はしっかりと自分の中に持てるように、別枠の練習として鍛える必要がある、ということです。例えば8分音符のフレージングをするとして「2拍分で1拍」の取りかたをすれば、その細分化は4分割、いわば16thフィールの感覚(譜面①)、3連符のフレージングであれば6連符の感覚(譜面②)、ということです。
「テンポ240では8分音符のフレーズがつっかえるが、テンポ120での16分音符のフレーズは弾ける」といったことがあり得ます。実際の運動としては同じ速さでも、パルスとフィールの取り方で違いが現れます。
というわけで「『スイングを2・4拍でリズムを取る』のは、あまり得策ではない」という一節でした。
おあとがよろしいようで。