前回までのあらすじ
3つのマイナースケールのダイアトニックコード、その混ざり具合で色々な表情を見せるマイナーキー。
次に注目するのは「マイナーキーダイアトニックコードの機能」です。
例えば…
CメジャーキーでのFM7(ⅣM7)とAマイナーキーでのFM7(♭ⅥM7)は同じ機能でしょうか?
答え … 違います。
Cメジャーキーでのダイアトニックコードの機能(T…トニック、D…ドミナント、SD…サブドミナント)は以下のようになります。
◇カッコ付きの機能は代理コードです。例えば(T)はT(トニック)の代理です。
◇コードによっては実質的な用途を鑑み、トライアドで表記しています。
◇※印は実際の用途に関する備考です。
これをAナチュラルマイナーとして並べ変える、つまり「Am7 が一番エラい」という立場にすると、次のようになります。
マイナーキーのダイアトニックコードも、メジャーキーのⅠ〜Ⅶと同じ並びの機能になります。
例えば
Am7 |FM7 |
というコード進行があった場合、
これをCメジャーキーと解釈すれば
Am7 |FM7 |
(T) |SD |
これをAマイナーキーと解釈すれば
Am7 |FM7 |
T |(T) |
になります。
同じ調号の同じFM7ですが、Cメジャーキーではサブドミナント、Aマイナーキーではトニックの代理、です。
ハーモニックマイナーとメロディックマイナーのダイアトニックコードの機能も次のようになります。
これらのコードを使った進行を、Cメジャーキーでの機能、Aマイナーキーでの機能、に分けてみると、次のようになります。
ちなみに、クラシックにおけるマイナーキーのベーシックダイアトニックコードは、次の顔ぶれになります。
どうにもこうにも…マイナーキーには大量のダイアトニックコードがあります。そして、それらの機能にも多分にグレーゾーンがあり、複雑さは増すばかりです。
さて…では、それらを整理していきましょう。
次号につづきます。